その昔、妻に宛てたラブレター。
まだパソコンすら無い時代。
何度も何度も書き直しながら便箋に筆を走らせる。
今のようにLINEなんてものがあれば、瞬間に想いを伝えることができるんだけど、
この頃の伝える術は、ラブレターを書いて渡さなきゃいけない。
だから伝えるのにも時間がかかるし、またせっかく書いたのに渡せない時もある。
そんなじれったさが、ある意味あの頃の良さだったのかもしれない。
ウイスキーを飲みながら、そしてトミーフラナガンを聴きながら、自分の想いを綴っていく。
タッドダメロが作ったこの「A BLUE TIME」が優しい空気でぼくを包み込み、
ぼくはさらに妻への想いの中へと入りこんでいく。
今でもこれを聴くと、そんな甘酸っぱい記憶が蘇るんだ。
トミフラのピアノが一瞬にしてあの頃へ運んでくれる。